11月に入ると、早めの七五三のお参りをする
ご家族づれをお見かけします。
なれない着物で
「髪飾りがイヤだ〜、帯が苦しい〜
早く脱ぎたい〜。」と、うったえる可愛いお子様を
必死で「もう少しだから」となだめるお母様の姿があります。
最近は、着物をお召しになる方が少なくなり
七五三や結婚式、お宮参りなどの行事の時は
殆どの方が美容院で着付けをされるようです。
それで着物の襟合わせは、普段、気にも留めないようですが
温泉宿の更衣室では、よく、浴衣の襟合わせをどちらにすればよいのか
首をかしげている方をお見かけします。
その場に居合わせると、おせっかいながら、つい、声をかけてしまいます。
自分の体に右襟を合わせ、その上に左襟を重ねるのです。
右前です。その理由がわかれば納得です。
私は子供のころ左利きでしたが、今は右利きに直しました。
世の中の殆どの方が右利きで
その右手で懐(ふところ)の金子(きんす)を取り出そうとすれば
右前なら右手がす〜〜と入ります。
合わせが逆ですと、右手を不自然に返さなければ懐に手が入りません。
こう覚えておかれると、悩んだ時に直ぐ正しい襟合わせができると思います。
物事には必ず理由があり
その理由が分かれば納得できることが多いのですね。
お顔のお手入れでも然りです。
なぜこんなふうに洗顔しなければいけないのか
なぜ化粧水とクリームをつけなければいけないのか
皮膚がこうなって、ああなって、と私の説明に納得され
毎日のお手入れを実行される田奈店のお客様はキレイ度アップが早いのです。
今はテレビ番組や雑誌など情報氾濫の時代であり
「何を選ぶか、何を信じるか」が難しい時代になりました。
私は自分の信じる事、物をひたすら信じて実行しています。
微塵も予期せぬ父の急逝に迎えた葬儀の日の朝、鏡の前で、
喪服を左前に合わせていた自分の姿に驚きました。
人は「心ここにあらず」の時は、思わぬ行動をとるものなのですね。
着物の襟合わせには、こんな悲しい思い出があります。
JRが、まだ国鉄と呼ばれていた頃のお話です。
当時、私はまだ20代半で
山手線の渋谷に通勤しておりました。
自分の住まいから勤務先までの
乗り換え駅の高田馬場で定期券を購入するため
売り場に寄った時のことです。
帰りのラッシュにはまだ間がある夕方です。
定期券購入申し込み用紙を記入するための台が何台か並んでいて
その何台かの離れた場所に、同じ制服を着た男子高校生が3人。
何か落着かず、キョロキョロと顔を見合わせてはまたキョロキョロ…。
確かに用紙と鉛筆は持っているのですが、定期を買うふうでもなく
いったい何を?
その頃からつい、マンウォッチングしてしまうのが私の性分。
なるほど…。わかりました。
どうやら彼らは、定期を買うだろう若い女性の年齢のあてっこ。
賭けをしているらしいのです。
用紙には年齢を書く欄がありました。
それを覗き込んでは、お仲間たちと合図しあっているのです。
全く失礼な話ではありますが、覗き込んでは「アタリ、ハズレ」と
一喜一憂している男子高校生を見ていると、おかしくなってしまい
笑いを抑えるのに必死でした。
それでもポーカーフェイスを装い
その隣で私も用紙の記入を始めました。
隣人の視線をチラチラと感じながら
彼らの失礼なかわいい遊びに付き合ってしまいました。
いったい私は幾つに見られているのだろうかと思いながら
住所を書き、名前を書き、年齢を…。
103歳と…。
覗き込んでいた隣人の「ゲェッ!」という小さな叫びが聞こえ
私も隣人に笑顔を返しましたが、彼はぎょっとした顔のまま
お仲間たちとそそくさ退散してしまいました。
10という数字を、2と書き直して
無事、あくる日からの定期券を購入し、その日は帰宅しました。
最近、スーパーやコンビニでは新商品の売れ行き調査のため
レジで購買層、つまり、何十代の人がその商品を購入したかを
チェックする場合があるということです。
それは実年齢ではなく、レジ担当者の主観の推測に違いないですね。
人の見た目の年齢というのは、かなりの差があります。
私の仕事は、ご婦人と美容のお話をさせていただくことが多いのですが
ある初対面のご婦人は、しきりに
「もう○○才だからしょうがない、何やっても駄目。」
とおっしゃいます。
その方と同じ年齢の私は「まだ○○才だから。」と思い
必死に老化に抵抗しているのです。
「もう」と思った時点で、その方の見た目年齢は、実年齢以上になり
「まだ」と思えば、実年齢以下に見えるのです。
気持ちがそのまま、見た目に表れてしまうのは不思議ですね。
若くてキレイは当たり前ですから
年を重ねての「加齢美人」を目指すなら
気持ちだけでも若く持ちたいものですね!
お盆前で、銀行のATMは長蛇の列でした。
S字状に何人もの人達が並んでいてそれぞれの方が
時計を見ては、ATM機器を見て
いつになったら自分の番が…かくいう私もその一人です。
その中で「我、関せず」のバギーに乗った彼(多分)は
私をじっと見つめていました。
調度、蛇行の列が逆になり母親に押されてバギーは
私と向かい合う位置に居ました。
彼が何故、私をじっと見つめていたか
それは多分、私が顔の半分隠れるような大きな真っ黒なサングラスをしていたことが、珍しかったか、怖かったからだと思います。
いつも夏場の外出はサングラスをかけます。
シミの元、メラニンというのは、紫外線を浴びた肌だけでなく
目から入り、脳に伝わり促進命令を出します。
それで外から目が全く見えないような
真っ黒サングラスをかけているのです。
しばらく、にらみ合い(?)が続いた後
私はいつもより少しだけ口角を上げてみました。ニタっと。
すると彼は、何と「微笑み返し」をしたのです。
ビックリです。
顔の半分以上が隠れていて殆ど表情を読み取れないはずなのに
私の口元だけ見てわかってくれたのですね。
まだこの世に生まれて数ヶ月の幼な子が!
アイコンタクトならずリップコンタクトです。
やがて、列が進み彼は去っていきました。
いつもならイライラする待ち時間でしたが
その日は優しい気持ちになりました。
人の脳の前頭葉にあるミラーニューロン。
幼な子はこのミラーニューロンを使って
私の口元だけを見て表情を、気持ちを感じ取ってくれました。
育児でお疲れのお母様。
赤ちゃんに微笑みかけてあげて下さいね!

スーパーに買物に行くと、ついつい
ご婦人の方々のお顔を見てしまいます。
誰一人、微笑んではいません。
皆様、こわ〜いお顔で野菜を
選んでいらっしゃいます。
そこでいつも思い出すのは、10数年前のある春の日のことです。
その頃、私は着付けを習っておりました。
たまたまの外出時に、私は着付けの先生をお見かけし
ご挨拶しようと歩み寄りました。
桜の柄の素敵な訪問着をお召しになって…そう季節は春です。
春と言えば、春の嵐。
先生は、強風でひるがえっているお着物の裾を押さえるのに必死でした。
風情を感じる微風ではなく、嵐のような強風です。
先生は…格闘です。で、お顔は、というと
目を吊り上げ、口はへの字に曲げて
それはそれはこわ〜いお顔です。
本当に、鬼面のような…
えっ…、あっ……
ご挨拶しそびれたのは言うまでもありません。
外を歩いていると、どこで誰に見られているかわかりません。
風と戦っていなくても、ホームで電車を待っている時でも
スーパーで買物をしている時でも、常に自分の顔を意識してみると
「キレイ」に一歩近づける気がします。
私くらいの年齢(?)になると
あれっ、これ、笑いすぎかな、と思うくらいで、やっと普通の顔です。
イライラしたり怒ったりすると、知らず知らずのうちにお顔は縦になり
眉間に縦ジワが出てしまいます。
お顔を横に広げるイメージで口角を少し上げ
日本人の好みであるアルカイックスマイル(仏像の微笑)を
今日からしてみませんか
一昔前の男子高校生のかわいい遊び(2005年9月)